星間物質(せいかんぶっしつ)は、恒星間の宇宙空間に分布する希薄物質の総称である。密度では、地球の上層大気よりも遙かに希薄であるが、地上からもしばしば星雲として観測される。大量の星間物質が凝縮して、星を構成する材料にもなる。
概要 [編集]
星間物質は、気体の星間ガスと、固体の細かい塵である星間塵(宇宙塵)に分けられる。前者は主に水素やヘリウムなどの軽い気体、後者は珪素や炭素、鉄、マグネシウムなどから成る微粒子である。存在比でいうと星間ガスの方が多い。一部の星間物質が濃密に凝集して星雲・分子雲を形成することがあるが、大部分は可視光では観測不能で、赤外線や電波の放射によって観測される。
星間物質の平均密度は、1立方センチあたり水素原子が一個から数個程度であり、地上の実験室で達成できる真空状態を遙かにしのぐ超高度真空状態であるが、極めて低い密度ながらこうした物質が全体に存在しており、分子雲などではより密度が高くなっている。とくに銀河において、中心核(バルジ)やそれを取り巻く円盤部分、そして銀河全体を包み込む球状のハロなどには大量に分布している。星間物質の総量は、銀河系に属する恒星の総質量の約10%を占めると推定されている。
SFにおいては、未来の恒星間宇宙船が超高速で宇宙を飛ぶ時に、星間物質がちょうど空気抵抗と同じように無視しえない抵抗となって、宇宙船が破壊されかねないため亜光速で飛ぶことは不可能になるとも指摘されているが、これを逆にエネルギー源とするアイデアも出されている。1960年にロバート・バサードが磁場によってこのような星間物質を集め、燃料にする恒星間ラムジェットエンジンは可能であると発表したため、この種の星間物質を利用したラムジェットエンジンは「バサード式ラムジェット」と呼ばれる。
三相モデル [編集]
1969年にフィールド (Field)、ゴールドスミス (Goldsmith) とハビング (Habing) がそれまでに観測された星間空間の性質を説明するために"二相モデル"というものを提案した。このモデルでは星間空間は、ほとんどが中性の(イオン化されていない)水素分子によって構成され、低温 (300 K以下) で密度が高い分子雲相と、中性かもしくは電離されたガスで構成される、比較的高温 (およそ1000 K) の希薄な分子雲間ガス相に分けられる。1977年にマッキー (McKee) とオストライカー(Ostriker) はさらに超新星爆発によって発生した衝撃波によって温められた超高温(およそ1,000,000 K)な相を加えた。この相は星間空間の体積の大半を占めている。彼らの論文はここ25年以上に及ぶこれらの研究の基礎についても言及されている。しかしながら、これらの相の分類やその比率については天文学者の間で現在も議論がなされている。
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